1月3日 旅の始まり
Final(期末試験)が終わった12月下旬、正月に何も予定がないことに気付き、慌てて旅行をセットアップ。まず思い浮かんだのはカリブ海に浮かぶ常夏の島、Virgin Islands。試験で疲れた体を休めるにはもってこいだ。しかしここはアメリカ人にとっての「ハワイ」。行ってもアツアツの新婚さんばかりだと聞かされ、それでは体力的にはいいけど精神的に参ってしまうと却下。
次はやはり常夏のメキシコ・カンクン。ただ避寒シーズンとあって、かなり飛行機代が高いのが気になった。時間もないのでディスカウントのレートもそれほどではない。ので却下。
ヨーロッパでもいいけど、寒いし、それに日本からでも普通に行けるし。アメリカ大陸にいる利点を生かせるとしたら、やはり中南米しかない。日本からだと20時間前後かかるし。と、却下。目はだんだん南に下って行く。
そうだ、ペルーにしよう。
幼いころの興味がむくむくと涌き出す。チャビン、シパン、シカン、ティワナク、そしてインカ文明。インカ文明を滅ぼしたフランシスコ・ピサロの暴虐に胸を痛めたものだった。ペルーならマチュピチュ、ナスカの地上絵、チチカカ湖もあるし。
調べてみたら何と直行便のContinentalが一番安い。忘年会をこなしながら手続きを進める。といってもビザもいらないし。現地での足などを手配するだけ。
交通手段
アメリカ・ペルー間は、American、ランチリ(ランペルー)、Continentalなどが飛んでいる。このうちAmericanはマイアミまたはダラス乗り換えになる。料金調査を始めた時期、Americanは9.11の影響を受けた特別ディスカウントをしていたので一番安かったが、実際に購入する時には終わっていて、それほど安くなかった。ランペルーはなぜかアメリカの航空会社より2倍程度高く、最初から問題外。実際に購入する時、ダイレクト・フライトのContinentalが一番安かったので、これで行くことにする。ただ出発はJohn F. KennedyではなくNJのNewark。
Manhattanから対岸のNew JerseyにあるNewark Intl Airportに行くには3つの方法がある。
- タクシー もちろん一番楽。荷物が多いときはこれだろう。しかし渋滞などで時間が読めない、一番高くつくという欠点も。
- バス 行きはこれを利用。42nd stにあるポートオーソリティのバスターミナルから20分に1本の間隔で出ている。料金は最安で片道11ドル。多少大きな荷物でも積めるし、コストパフォーマンスならこれ。しかし渋滞に弱いのはタクシーと同じ。
- 列車 34th stのPenn Stationから「Railink」というサービスが2001年12月から始まった。アムトラックで空港近くの駅まで行き、空港を巡回している新交通システムにすぐに接続するもの。料金は片道11.15ドル。帰宅時に利用。渋滞に左右されないという強みとともに、乗り換えが少なくとも2度(地下鉄からPenn Station、列車から新交通システム)あるので荷物が多いと疲れるという弱味もある。
ビザ
ペルーは日本とビザ免除協定を結んでいるので、90日以内で観光目的ならビザ不要。外務省のサイトでは、この種の情報が見づらい。しかも発見しても「現在はビザを受けることを推奨」などと書いてある。そりゃ万全を期せばそうなるのかもしれないが、本当に必要かどうかの情報が欲しいのであって、役所的な「万難排します」情報はいらない。
ついでに海外危険度情報も見ておいたが、南米はほとんどの国や地域で危険度1なのに、ペルーの山岳地方だけ2がついている。日本大使館占拠事件のトラウマだろう。現地に行ったら「もうゲリラなんていない」と一笑された。
予防接種
熱帯地方に行くのでなければ不要。イキトスなどに行くときも、マラリアぐらいか、あっても。
I-94
留学生にとってパスポートと同様に重要だとすりこまれているI-94。アメリカを出国時、これをパスポートから剥ぎ取られる。それを知らないとかなり不安になる。「またちゃんとアメリカに入国できるのだろうか」と。私がそうだった。しかし、必要なサインをもらったI-20やついでに財政証明などを持っていると、日本からの入国時と同じように、旅行先からアメリカに入国した際にもI-94をちゃんとくれる。D/S(Duration of Study)の記入入りで。ということはアメリカから外に出るたびに同じ手続きが必要だということ。考えれば当たり前だが、実際に剥ぎ取られるとどきどきするし、知っているのと知らないのとで大違い。こんな情報も外務省、地球の歩き方にはない。
地球の歩き方
その「歩き方」だが、ペルー編は独立しておらず、ボリビア、エクアドル、コロンビアと一緒。他の国用の「歩き方」と比べても誤植が多く、記述にも不正確な点が多い。また他国と一緒くたにしているため、不要な情報も多い。買わないよりはましという程度。アメリカで買うと29.10ドルもする。紀伊国屋は本屋ではなく為替ブローカーだ。紀伊国屋の為替レートに疑問を持ったのは日本で外書を買う時もそうだった。
格安航空券
アメリカはこれの本場だから、サイトでもたくさんある。Cheapticketなんてよく知られた存在だし、そのほか有象無象も含めていろいろある。使い勝手も。私はgoogleで見つけた「Hotwire」(最後にdはつかない)を利用。時間がある限りいろいろ調べて最安値かつ予定にぴったりいくフライトを見つけられるのは、インターネットのおかげ。ただ実際のフライトまで時間があればあるほど安いので、早めに予定を決めて早めに押さえるとさらに安く上がる。
今回はさらに電子チケットなので、空港で搭乗手続きをするまで書類は一切なし。カウンターで便名と自分の名前を告げるだけ。これも多少は不安だが、往復とも問題なし。
航空券をアメリカのサイトでクレジットカードで買う場合、「カードの請求先が米国内であること」、つまりアメリカで発行されたクレジットカードであることなどの制限をかけているところもあるが、日本で発行されたクレジットカードを使い、アメリカの現住所を入れて問題はなかった。こういう細かい情報が欲しいんだよね、実際は。
セキュリティ
私の出発前、ボストンで靴に爆弾をしかけた男が逮捕されたこともあって、「靴の底まで見られる」「3時間以上はかかる」と脅されて空港に行ったが、金属探知機が1回あっただけでボディチェックすらなし。アメリカから出て行く便はどうでもいいのか知らないが、そういう便をハイジャックして同様の事件を起こすことも可能なのに。こういういい加減さがアメリカでもある。
と、ぶつぶつ言いながら1月3日午後3時45分の便でLimaに向け出発。しかし原因不明の理由でドアが閉まってから動き出すまで30分以上待たされるのはなぜ?これもアメリカ。
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