1月4日
南半球は真夏
午前零時過ぎ、定刻より1時間ほど遅れてリマに到着。首都の国際空港というのにブリッジがなく、タラップで地上に降りるのが愛嬌。ドアを出た瞬間、むっとした暑さが襲う。
夜中の街だからか、市内中心部に向かう道路沿いの家並みもなぜかかなり暗い。人けがまったくない。窓にも灯りが見えない。2階までの低くスクエアな民家が多い。なんだかほこりっぽい外観。
リマは大平洋に面している。少し仮眠して朝早く、大平洋を眺めに行く。途中通った町並み。民家は入り口を鉄格子で覆われ、壁には有刺鉄線かガラスの破片。窓ガラスにも厳重に鉄格子。雑貨屋など商店はまるで鉄格子の中にあるかのよう。それだけ治安が悪いのか。
海側に出てみると断崖絶壁。その下に道路もあれば浜辺もある。よくこれで崩れないものだ。何でもリマはほとんど雨が降らないので、日本の感覚で「危ない」と思ってもそれほど崩れないようだ。雨の代わりに海霧が発生して、よく太陽をさえぎる。そんな時はリマにいても涼しく感じる。
新市街のミラフローレスも歩いてみたが、観光客目当ての店やファーストフードなどばかりで、そりゃ安全に歩けるだろうけど、面白みはない。旅に「カルチャーショック」を期待する私にとって、何のメリットもない街。
国民的飲料
唯一、国民的愛飲ドリンクという「INCA KOLA」を実際に買ったのが収穫。コーラなのに見た目は蛍光イエロー。体に悪そうだが、飲んでみると懐かしい味。小さいころに「体に悪い」と怒られながらもやめられなかった雑貨屋の粉ドリンクの味に似ている。インカという名前が国民感情を刺激するのかな。黄色は黄金の色。インカ帝国を彷佛とさせるのだろう。でも同じような「Reyla Kola」や「Real Kola」もなぜか黄色。柳の下のドジョウ狙い?
しかも炎天下の露店でも冷やさずに店頭に並べて売っているし、いつ置いたのか分からないようなものも売っている。防腐剤でも入っているのか。とにかくこの怪しさがたまらない。旅行中、何かというと飲んでしまうことになる。
日本には国民的ドリンクはあるのか。ヤクルトかな。
バス大活躍
午後、ナスカへとバスで出発。ペルーは鉄道が発達しておらず、あってものろい。その代わり長距離バスが充実している。国内主要都市はおろか南米各地の都市までも運行している。中には100時間以上かかる路線もある。ごくろうさまです。
Ormen~o(オルメーニョ。~はnの上)社のロイヤルクラスに乗る。いわゆる2階建てバスで、席は3列しかない。1つの席が大きいし、食べ物、飲み物や映画上映のサービスもあり、飛行機なみ。それどころかトイレは男女別にあるから、飛行機より充実しているかもしれない。
リマは太平洋沿いの砂漠の中にあるようなもの。リマを出ると荒涼とした砂山が続く。大規模な砂丘にいるようだ。低所得者層の家と思われるものは、その砂丘の上まで続いている。雨が降らないといっても地盤は悪いだろうし何より不便だろう。しばらく走ると民家もなくなり、ひたすら砂と岩の世界になった。
これまで見たことがない光景に、知らずに圧倒されていたようだ。空漠とする世界を見ながら、ほんとうにちっぽけなことを考えてしまうのは、自分の小ささか。もっと宇宙とか世界とかを考えてもよさそうなものなのに、「あのときこう言えばよかった」とか「こう言わなければよかった」などと考えている自分がいる。卑小な自分を嫌でも痛感してしまう。
車内もけだるい雰囲気。景色を眺めている人はそれほど多くない。
途中、いくつかの街で停車する。降りる客もいれば乗ってくる客もいる。緯度が低いため、また夏でもあり、日没は6時半ごろ。大平洋のかなた、日本の方向に沈んでいく太陽を最後の光まで見つめる。
定刻(!)の午後8時半ごろ、真っ暗になってからナスカに到着。
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