ハバナ大学からは裏道を通ってCentroを目指す。観光客が歩いていることなどほぼない道を歩く。自然に早足になる。見るものが何もないからというのもあるし、少し警戒しているということもある。
汗がにじんで足が少し疲れたころ、排気ガスにせき込み始め喉が渇き始めたころ、Centroのランドマーク、Capitolにやっとたどり着く。アメリカのワシントンD.C.の連邦議会を模して建てられただけあって、なるほどそんな雰囲気はある。革命前までは実際に議会もあったらしいが、今は学術団体の本部が入っているらしい。しかし旅行者にとってそれはそれほど重要なことではない。もっと重要なのは、ここでインターネットにアクセスできるということだ。
ハバナ市内にはインターネットカフェに当たるような店もない。旅行者がネットにアクセスできるのはわずか5か所。うち4か所は高級ホテルで、宿泊客しか原則的には使えない。ではそういうところに泊まっていない旅行者はどうするか。そう、ここCapitolしかないのだ。入り口を入ってすぐ右側に小部屋があり、パソコンが並ぶ。係の女性に名前を告げて待つこと1時間。ここでもやはりどれくらい使うか事前に自己申告し、30分なら3ドル、1時間なら5ドルを払う。バラデロでは10分でちょうどだったので30分と言っておく。
2003年春学期に取るつもりのある授業が、年末に応募の締め切りだった。ファクスで送り付けたものの、すでに大学は休暇中。本当に届き、それがちゃんと応募という認識で受理されているのかが不安だった。知り合いのTeaching Assistantに確認を依頼するメールを打つ。しかしハードディスクが遅く、しかも回線も遅いと見えて、画面が表示されるまでにかなり時間がかかる。
ただ感心したのは日本語もきちんと表示されること。バラデロでは不可だった。おかげでメインに使っているアドレスのメールもきちんと見ることができた。ちょうど30分ほどで終える。ハバナでネットに困ったらCapitolへどうぞ。少し時間はかかるけど。
ハバナの原宿と私が勝手に名付けたObispo通り。ここに楽器店がありCDがたくさん置いてあったので店員と相談しながらどれがいいのか検討する。最初は「Buena Vista Social Club」に代表されるキューバの民族音楽Sonと、Rumbaを1枚ずつと思ったのだが、Rumbaは店員も言う通り、「アフリカン」。あえてキューバという雰囲気はしない。結局、古典的なやつと現代的なやつをそれぞれ1枚、Sonでまとめておく。店を出ようとしたら、過激なジャケットのCDを持っている男性と一緒になる。「それ、何」と聞いたことから始まって、少し立ち話。なんでもキューバン・ラップとか。彼はそれよりももう1枚、キューバのボブ・ディランのような存在の歌手を勧めてくれた。しかしそこまでのめり込むほどキューバ音楽にはまっているわけではない。初歩の初歩、この2枚で結構。
歩き過ぎで喉が渇いたので、街角のバーに入ってビールを頼む。ハバナに入る機内でも飲んだ「Cristal」はどこにでもあるけど、軽すぎて飲んでいる気がしない。飲むなら黒い缶の「Bucanero」をお勧め。ちびちびごびごび飲んでいると、さっきCD談義をした若者も同じ店に入ってきたので同じテーブルに呼ぶ。聞いてみるとフランス人。ドイツ人の友人がキューバ人女性と結婚式を挙げるので、そのために来た、キューバは2回目だ、音楽があふれて最高だ、などという話を聞く。
ぶらぶら、ふらふら。
あっちこっち。そっちどっち。
てくてく、とことこ。
ふーん。へー。ほー。なんやとー。
あれ?おりょ?ぎょえー。よよよ。
こんな擬態語がぴったりな私のハバナでの1日。
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