8時ごろに起きる。人の気配があまりせず、ホテル全体がまだ眠っているようだ。とにかく宿泊料に含まれている朝食を食べにホテルのレストランへ。コンチネンタル。まったくのコンチネンタル。コーヒーとトースト以外、何もない。それでもふだんは食べないのでおなかいっぱい。
これまたまだ眠っている町をぶらついてみる。辛うじて開いていた店に、昨夜会ったフェローの人がいて朝食を取っていた。これで島を離れるというので挨拶しておく。手持ちのペソが昨日のおつりだけなので両替商か銀行を探す。両替商2軒、銀行1軒を発見。銀行が一番レートがよく、1ドル=10.4ペソだった。コミッションはなし。
この島の人は親しみやすい顔をしている。白人と黒人とその混血の国とは違い、体形もぽっちゃり。背もずんぐり。わりと日本人に近いかも。マヤの血、オリジナルの血が残っているからだろう。先住民が根絶やしにされ、人間が外界から完全移植されたキューバとは違う。そして大きな違いは、日本人を見慣れているからか、「Chino!」「Japon!」という叫びに似た呼びかけがない。目が合ったらにっこりと「Hola!」。
そしてこの海とこの空。この暖かさ。私は今、かなりhappyだ。村上龍もここを知らなかったに違いない。水は冷たいのだけれど、少し入ってみる。どこまでも浅く、岸からかなり離れたところでもまだひざぐらいの深さしかない。この浅さと底の白い砂が、このビーチの特徴。潜ってみる。風のせいか、上から見るほど透明度は高くない。ざぶんと水から上がると、さすがに少し寒く感じる。
あんまり気持ちがいいので昼食も取らずに浜に寝転がり続ける。こういう時のために持って来た本を少しずつ読む。トップレスの女性、やる気のない物売り、ヤシの実ジュースを飲んでいる白人、笑顔で走り回る子供たち、そして何がうれしいのかじゃれあっている黒い犬と白い犬。ビーチチェアの寝ころんでいたらおじさんが料金回収に回ってきた。30ペソ(約3ドル)という。あいにく金をすべて部屋に置いてきたのでおとなしくビーチにタオルを敷いて寝ころぶ。なんでもいい。ここにさえいられればいいのだから。
冬の太陽のくせに結構強く、最初にサンオイルを塗り忘れたひざ下だけが真っ赤になってしまった。部屋に戻ってシャワーを浴びたら結構しみるし、何より動かしにくい。皮膚がこわばったまま。冬の太陽を、メキシコの太陽をあんまりなめてはいけなかった。
陽が傾きかけたころ、町に出てみる。まだ本格的な商売前。本格的な釜でピザなどを出す店でアイスケーキとカプチーノ。ゆっくり食べる。きょうは雲がまったくない快晴。だから夕焼けにはならなかった。明日も晴れだろう。晴れなくてもすることはきっとあるさ。
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