別にほかに目的があるわけではないので、ぶらぶら歩いて海の方へ行く。沖合では風が強いらしく、波がざっぷんざっぷん(写真)。子供は防波堤を越えてやってくる波を頭から浴びてはしゃいでいる。それをのんびり陽に当たりながら眺めるのも楽しい。
と、年配の太った女性が、果物などを盆に入れてその防波堤の向こう側の磯に降りていく。盆の上の物を海に流した後、何か海に向かって祈っている。昨日見たAfro-cubanの儀式らしい。また防波堤の上に戻ってきて、一緒に来ていた娘らしい女性に、同じようにしろと命令している。しかし娘の方は波に怖じ気づいてなかなか行こうとしない。磯に降りても腰が引けていて、おばちゃんのように堂々と腕を上げてタイタニック状態になろうとしない。いらいらしたおばちゃん、「もう、だめね。こうやってやるのよ」と娘のところに行く。娘の旦那らしき人も加勢に行く。とそこへ大波ザップ〜ン。3人とも引く波にさらわれて、いたはずの磯の上にいない。
娘と男性はうまく磯に上がってこれたが、おばちゃんは一度は磯に手をかけ、それを他の2人が腕をつかまえたものの、次の大波が来て、おばちゃんは沖に流されてしまった。最初は笑いながら見ていた観衆も、ここまでくるとシャレになっていないことに気づく。娘は半狂乱。そしてやじ馬は総評論家状態になる。
騒ぎを聞きつけた近所の男性が、海辺に出てきて服を脱いでいる。泳ぎが上手で有名な人らしい。そして波をものともせず飛び込んだ。しかしおばちゃんは泳げないらしく、しかもかなり太っていて、その男性1人ではどうしようもない。しばらく2人で浮かんでいるだけ。
かなりして消防車が到着。ウエットスーツを着た3人の隊員が飛び込む。勇敢な男性はそれと交代して岸に戻ってきた。3人がかりでもこの波では岸に近づけない。代わりにどんどん沖に出ていく。その方がうねりが少なく、おばちゃんが水を飲み込む可能性が少ないと見たようだ。徐々に沖に出ていく4人がときおり波の谷間に入って見えなくなるぐらい、うねりが高い。これまたかなりして、西からボートがやっと来た。ボートに引き上げられる4人。何とか救出完了のようだ。
それをじっと見ていた私。相当ヒマらしい。それとも職業病か。
天気もいいし時間もあるので、オープンエアの土産物マーケットを見て回る。絵も多いが、ピカソのような抽象的な絵画が割と多い。風景画はそれほどうまくないようだ。中学生の宿題のような絵も多い。土産物も、技術の冴えを見せるものは少なく、それほど心引かれるものがない。ま、こんなもんか。
夜、雨が降ってきた。少し待てばやむかと思ったがやまないので、軒先をたどりながらホテルの少し先にある「象牙塔飯館」へ。雨ということもあって客は少ない。10ドルでコースが食べられるというのでそれにしてみる。最初に出てきた揚げワンタンが最高だった。キューバで食べたもので一番おいしかったかもしれない。
<-- 前日に戻る Cubaトップ 次の日に進む-->
Do you have any questions? Why not ask me? |