1月6日
いずこへ、Cuscoへ
朝3時に起こされ、6時には飛行機に乗ってクスコへ。Taca航空という会社の路線。朝日に輝くクスコは美しかった。盆地に開けた街だが、茶色い家々が見事に広がり、インカ帝国の都だった当時をしのばせる。
いったんはホテルのロビーで休憩するが、クスコを楽しむ間もなく、バスでまずは北へ、そして西へ進む。すでに分水嶺を越えているので、この辺りの川はすべて大平洋にではなくアマゾンの方向に流れる。ウルバンバ川に沿った「Sacred Valley」を巡る。
最初の立ち寄り先はピサック。遺跡もあるが、ちょうど日曜だったこともあり、市場を見学。観光地化されてはいるが、それでも十分にローカルな雰囲気がある。「オニイサン」「イチ・ソル・ネ」などとだれが教えたのか日本語で売り子が話し掛けてくる。
アンデスはトウモロコシ、ジャガイモ、トマトなどの原産地。ジャガイモなどは208種類もあるというし、コーンも色や大きさの違うものがかなりある。土産物とともに市場にあるそんなものも楽しみながら散策する。
ここでも飲むか
さらにウルバンバ川にそって西進する。オリャンタイタンボの手前の村で、赤い布を棒の先に吊るしたものを掲げている民家にバスが止まる。この目印はチチャがありますよ、という印。チチャとは、発芽させたトウモロコシをすりつぶして発酵させて作った地酒。標高も平地よりは高いので、アルコールは避けていたが、「地酒」と聞いて試さずにはおれない。
この民家では、チチャにイチゴジュースを混ぜたものを出していた。外観はストロベリーシェイクのような色。しかし飲んでみると、イチゴの甘さとともに、少しすっぱいような味がする。舌には残らず、後味はあまりない。結構、いいペースでごくごく飲んだ。これでもアルコール度数が14〜15度はあるというからワインなみ。「ウマイ!」と激賞するほどでもないが、別にまずくもない。
星がきれいな夜だから
オリャンタイタンボで遺跡を見学。なんでもインカ帝国が最大版図を誇った時期の将軍オリャンタイが築いたタンボ(=停泊地、穀倉、畑)という意味だそうだ。タンボは田んぼに通じる。インディヘナの人々はアリューシャン列島を通じて渡ったモンゴロイドが祖先だそうだから、案外、日本語と通じる点があるのかもしれない。
遺跡は山の斜面にあり、段々畑や建物跡などがある。向かいの山にも、年中吹く風を利用して穀物を乾燥/貯蔵したという施設跡もある。よくもまああんなところに。遺跡に使われている石は、向かいの山から川を渡って運んできたそうな。かなりの労力だったと思われる。しかも隠しピラミッドまであり、戦略上の基点という割にはかなりいろんな意味が込められた場所であったことも分かる。
きょうの宿はこの近くのホテル。ちょうどトウモロコシの収穫祭とも重なり、村の広場はチチャで酔った人で大混雑。そんな中をぶらぶらしてからホテルに帰るとき、ふと空を見上げたら星がたくさん輝いていた。オリオン座もあるけど、それ以上に細かな星、普段は気付かないような星もたくさん。しばらく道端で眺めていた。山の中なのと雲が出てきたので、あまり広範囲には見られなかったが、それでも久しぶりに星空を堪能した。
ホテルはロッジ風の贅沢な造り。こんな部屋に一人で泊まっていいのだろうか。なぜかこの渓谷、故郷に似ている。
<-- 前日に戻る Peruトップ 次の日に進む-->
|